■なんくるないさー。めんそーれ琉球 その1(スズキ SV650 ABS)

新鮮な景色と、独自の文化、そしてやっぱり海が魅力のツーリング

 

ムーンビーチ

 

沖縄、である。

 

青い海、白い砂浜、リゾート、ビーチ、ギャル、水着…というイメージの南国の地だが、実は意外にも新鮮なツーリングが楽しめる場所だ。

 

一周、約300キロの沖縄本島には、豪快なワインディングや、どこまでも続く直線路があるわけではない。しかし、琉球王国として旧来の日本文化とは違う文化が育まれていたため、異国感が味わえる独特なツーリングを楽しめる。そして、随所にある白砂のビーチ、エメラルドグリーンの海…。なので、沖縄を走る際には、がむしゃらに走り回らず、ゆっくりと各所を見て回りながら楽しんで走る方がいい。

 

時期的には、やはりキラキラと海が輝き、水着ギャルが多い夏に走るのが楽しいが、観光客が少なくて道も空いている冬場ものんびりできていい。雨も少ないし、バイクで走るにはちょうどいい気候だ。

 

そして、バイクツーリング的にお勧めは、人気の沖縄美ら海水族館や古宇利大橋がある本部半島。世界遺産のグスクもあり、沖縄そばの人気店も多く冬場は道も空いている。特に名護市街から本部町に続く海沿いの国道は、島内随一の爽快ロードだ。

 

実は沖縄県は全国でも有数の人口密度を誇る。そして鉄道網が無いので車が多く、幹線も限られているので意外と移動に時間がかかる。本島一周とかいうとトロトロと道路を走るだけのツーリングになってしまうので、エリアを絞ってののんびりツーリングがお勧めだ。

 

 

羽田空港から約3時間のフライトで那覇空港に到着。空港からモノレールに揺られて15分ほどで那覇市街に着。那覇市内でスズキのSV650ABSを借りて、国道58号線を北上した。12月ながら気温は20度。ジャケットはスリーシーズン用だが、着ているとじっとりと汗ばんでくる。そして、意外と車も多い。もっと異国情緒があるのかな、と勝手に想像していたのだが、当たり前だが道はごく普通の日本的な国道だ。ただ。至る所に英語看板があり、また、轟音とともに軍用機が幾度も飛び交う様は、ちょっと他では体感し難い光景でもある。

 


※なんと、沖縄の二車線以上の道路では、左の走行一車線以外は二輪車の走行は不可。追越車線を走っているバイクも見かけるが、「通行帯違反」なので要注意!

 

読谷村に入り、世界遺産の座間味城跡に。

 

石壁に囲まれた独特な城跡はヨーロッパの要塞ぽくって異国感を感じさせてくれる。

 


座間味城跡〜世界遺産のグスクの中で、最も気軽に立ち寄りやすい。入場も無料。

 

その後に訪ねた、残波ビーチは、白い砂の、ザ・沖縄という感じのビーチでテンションが上がる。

 


残波〜残波岬は灯台がある普通の岬だが、岬へ行く途中にある残波ビーチは、道沿いにあり立ち寄りやすい白砂のビーチ。

 

また、途中で寄り道した琉球村は、琉球のイメージが凝縮されてそこにあり、スタッフさんたちとの何気ない会話を楽しみながら、のんびりと琉球感を楽しんだ。

 

琉球村〜古き良き沖縄の古民家が立ち並ぶ園内では、琉球舞踊やエイサーショーが楽しめる。無料ゾーンもあり、食事や買い物が楽しめる。1200円。

 

続いて訪ねたのは、沖縄随一の景観地の万座毛。駐車場には多くのバスが並んでいて観光客も多い。サスペンスドラマのラストの犯人の告白シーンに出てきそうな岬だが、観光客があまりに多くて残念ながら風情は感じづらかった。

 

真栄田岬(左)・万座毛(右)〜両岬とも、いわゆる普通の岬。ちなみに万座毛とは、岬ではなく手前の芝生のことだそう。

 

□読谷・恩納
国道58号線を走りながら周辺の名所を立ち寄っていくプランが○。嘉手納では旋回して着陸していく軍用機が至近距離で見られる。

 

やがて、名護市に入るあたりから国道が海沿いを走り、国道449号線に入り名護湾を真横に眺めながら走るシーサイドランを楽しむ。ここはお勧めのバイクツーリングロードだ。

 


名護市役所〜まるでラビリンス的な形状をした建物。

 

そして、瀬底大橋を渡り瀬底ビーチに。白砂とエメラルドの海を満喫できるお勧めのビーチだ。夏ならさらに素晴らしいところであろう。ただし、隣接している未完成の廃墟ホテルを含めこの土地を某大手資本が入手したので、再開発&プライベートビーチ化されるのも時間の問題かと。訪ねるなら今のうちだ。

 


瀬底ビーチ〜美しい白砂のビーチ。人も少なめでのんびりできる隠れ家的ビーチ。

 

そして、ここまで来たら是非見てみたい美ら海水族館に立ち寄り、その先にある備瀬のフクギ並木を訪ねた後、今帰仁村のペンション村に宿泊した。

 


海洋博公園・沖縄美ら海水族館〜ツーリングで行くところ?とはいえ、まだ行ったことがなければそうそう来れるところでもないので入館料1,850円を払ってでもジンベイザメを見る価値あり。ただし、人は多い。

 


美ら海水族館から見える沖にある伊江島。

 


備瀬のフクギ並木〜普通の林かな、と思いきや、周囲の雰囲気ある民家と相まってとても風情のあるところ。人が少ない早朝か夕方の訪問がお勧めだ。

 

□名護・本部
名護市街は沖縄そばやハンバーガーの名店が多いので食事ポイントとして、本部町は半島観光拠点の宿泊ポイントとしてお勧めだ。

 

※■なんくるないさー。めんそーれ琉球 その1(スズキ SV650 ABS)に続きます。

■なんくるないさー。めんそーれ琉球 その2(スズキ SV650 ABS)

※■なんくるないさー。めんそーれ琉球 その1(スズキ SV650 ABS)からの続きです。

 

時間に追われず、時間を気にせず、なんくるないさー。それが沖縄ツーリング。

 

翌朝、近くのビーチで青い海と空を見ながらのんびりする。これが沖縄、って感じがいい。

 

まずは、備瀬のパワースポットのワルミと瀬の岩模様が綺麗な備瀬ノ浦海岸に行く。このまま一日ボーッとしていたいくらいに時間がゆっくりと流れていく。

 


備瀬のワルミ〜水族館やフクギ並木に行くならすぐ近くなので、立ちよりお勧めのパワースポット。海岸に降りて行く道も雰囲気があって◎。但し、場所が分かりづらいので注意(※現在は立ち入れない模様)。

 

本部半島の西部は、見どころや寄り道したくなる場所が多いので、ついつい予定以上に時間を費やしてしまった。その結果、その後の予定が大幅に狂ってしまったが、この“寄り道&のんびり”が本土とは違うザ・沖縄ツーリングという感じで、時間に追われず、時間を気にせず、まさに、”なんくるないさー”と思って走っている自分がいて、それがとっても楽しいのだ。

 

本土にはない新鮮な風景や光景に、バイクを止めて眺めることがしばしば。異国感が味わえる。

 


今帰仁城跡〜入場料400円を払うが見ごたえあり。プチマチュピチュっぽい。

 

そして、いよいよ古宇利大橋に。

 


古宇利大橋〜今帰仁村の古宇利島と名護市の屋我地島を結ぶ、全長1,960mの一直線の橋。橋自体は走るだけで何もないが、エメラルドグリーンの海の上を走る気分は爽快だ。古宇利島側の駐車場から降りたところにあるビーチから見る橋も○。

 

今回のツーリングで、絶対に走って(渡って)みたかった橋だ。ただ、沖縄随一の観光スポットということもあり、観光バスの往来が多くて、なかなか橋自体の走行自体は楽しみづらかったが、橋上から眺めるエメラルドグリーンの海は綺麗!の一言。おかげで片道約2kmの橋を2往復してしまった。

 


古宇利島側の古宇利大橋の麓はビーチになっていて、ここでも沖縄の海を楽しめる。

 

古宇利島にある貝の形のオーシャンタワーは是非とも登りたい。自動走行のカートに乗り観光案内を聞きながら走っていくと、「もう少しで撮影ポイントですよ」というアナウンスが流れる。ちなみに、よく見る前出画像のような古宇利大橋の景観は、このタワーの展望台から見られるものだ。なお、橋の撮影は、海面が綺麗に見える午前中の方がお勧めだ。

 

その後、古宇利島を半周し、古宇利大橋と反対側にあるハートロックに。CMで有名になった海中から突き出た岩だが、なんでこんなところに…と思うのと、意外と遠くにあり、人物を入れて綺麗にとるなら望遠レンズが必須だ。

 

そして、再び古宇利大橋を渡り、嵐山展望台に寄った後、慶佐次湾のヒルギ林に。

 


ハートロック〜ハートの形をしたところから名付けられた岩。古宇利島は恋の島とも呼ばれているそうなので、カップルでなら是非とも訪ねたい。

 


嵐山展望台〜沖縄八景。松島っぽい湾の景観が○。付近のパイン畑も風情がある。

 


慶佐次湾のヒルギ林〜マングローブの林がある。無料なので、近くを通ったなら立ち寄る価値はあり、か。

 

その後、県道14号線で島を横断し東側に移動。本来なら北上して辺土岬を目指したかったのだが、時間が無いため、今回は断念。そして、国道329号線に入り南下。途中、ニュースでよく見る辺野古のキャンプ・シュワプのゲート前を通り、沖縄自動車道経由ででうるま市に入った。

 



辺野古アップルタウン〜退廃感が漂う洋風な建物がここかしこにありちょっと雰囲気のある町。夜はがらっと表情を変えるのかも。

 

勝連城跡は世界遺産のグスクの中で最も古く、頂上からはエメラルドグリーンの海が一望できる。その後、今回4つ目となる世界遺産のグスクの中城城跡に立ち寄り、那覇市内へと入った。

 

◇世界遺産「琉球王国のグスク 及び関連遺産群」
グスクとは石などを積み上げて作られた沖縄独特の城のことで、12世紀ごろに集落を防御するために、もしくは聖地として作られたと考えられている。各首長らの勢力争いの後、三山(北山、中山、南山)時代を経て中山国の尚氏が統一して琉球王国を建国。首里での中央集権のもと、その勢力を伸ばした。その遺構は世界遺産に登録された九つの場所はもちろん、島内の随所に残されている。グスク跡は全部で200〜300箇所もあるといわれているが、世界遺産に選定されたのは、その中の、今帰仁城跡、座喜味城跡、勝連城跡、中城城跡の4城跡になる。

 


勝連城跡〜ヨーロッパの城跡のような感じが○。入場無料で景色の抜群だ。

 


中城城跡〜世界遺産の4城跡の中では小粒ながらも、写真映えする城跡。入場料400円。

 

那覇市街では、ちょうど帰宅ラッシュとぶつかったのか、まるで花火が終わった後のディズニーランドの駐車場のような大渋滞の首里の路に困惑しつつ、二千円札に描かれた守礼門と、世界遺産の首里城を見た後、お土産を買い、沖縄ツーリングを終えた。

 

今回、個人的に沖縄は初めてということもあり、本部半島を中心に観光地巡りのツーリングを行ったが、時間の都合で当初予定していた斎場御殿や南部の各名所、また、やんばる(北部)や、神秘的な久高島などは残念ながら訪ねられなかった。機会があれば、次回は是非、深く沖縄の触れられるような異国感を味わえるツーリングにチャレンジしてみたいと思った。

 

ちなみに、格安航空券(LCC)+125ccレンタル+ドミトリー泊なら、2万円台で楽しめる沖縄ツーリング。冬場の日中平均温度20度の下、観光地が空いている冬のバイク旅はお勧めだ。

 


海中道路〜道幅が広いので海が見づらく、名前に誘われてここだけを走りに来るのはもったいない感じがする。

 


首里城・守礼門〜周辺は渋滞路ながら、無料だし、沖縄に来た感が味わえるので、是非、立ち寄りたい。

 

□那覇・うるま
島の東側の多くが演習場のため、観光地や立ち寄り場所は少ない。また、那覇・うるま市は交通量が多いため、時間によっては高速の有効活用も。

 

◇沖縄グルメ
沖縄グルメといえば、ゴーヤチャンブル、沖縄そば、タコライス、海ぶどうなどいろいろあるが、ツーリング道中に気軽に食せる沖縄そばやハンバーガーはお勧め。但し、街中に多いので、立ち寄るお店候補は事前に要チャックを。

 


スパーキーバーガー 900円(Captain Kangaroo)〜美味しい!大きい!値段の価値あり!

 


三枚肉そば 500円(宮里そば)〜独特な味と食堂のような店内の雰囲気が○。綿は固め。

 


ソーキそば 530円(我部祖河食堂)〜食べやすいが、やはり麺は固め。骨付き肉用の皿付き。

 


サーターアンダギー 100円(琉球村)

 


沖縄パインジュース〜沖縄ではずっとこれを飲んでいました。パイン好きなら是非!

 


※ホットぜんざい!食べられず。残念。(琉球村)

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