■奥武蔵グリーンライン(スズキVストローム250 ABS)
都心から約1時間。埼玉県毛呂山市から秩父を結ぶ風情のある「奥武蔵グリーンライン」という舗装林道があります。源義経の逸話も残る歴史あるこの道を、のんびりと走りながら辿ってみました。
寺坂棚田?約330枚の水田がある県内最大級の棚田。毎年7月に「ホタルかがり火祭り」が、9月に「彼岸花祭り」が開催されます。
埼玉県毛呂山町から秩父市の定峰の尾根伝いを走る、奥武蔵林道等の総称の奥武蔵グリーンライン。林道ということもあり道が狭く、路面状態も今ひとつでブラインドコーナーが多く、カーブではカーブミラーを見て走らなければならないことが多くて、重量車やスポーツバイクで走るとストレスが特に溜まりやすいのが難点のコースですが、都心から僅か1時間で来れて、コース沿いに風光明媚な場所が点在していて、飯能から秩父に行く際には、交通量の多い国道299号線とは別にツーリングが楽しめるルートです。
奥武蔵グリーンライン?埼玉県毛呂山町から秩父に至る林道の愛称。ブラインド多し。
今回、毛呂山町側からグリーンラインに入り、まずは鎌北湖に。小さな人造湖ですが、ひっそりと佇む感じで風情がある湖です。
鎌北湖?昭和10年に完成し た人造湖。左端にある洋館風の取水施設がお洒落です。
そこからしばらく走ると右側に、うっかり見逃しそうな男女逢瀬を取り持つ縁起地蔵でもある北向地蔵尊がぽつんと立っています。ここで今回のツーリングの安全を祈願して、再びグリーンラインを進むと、江戸時代の天文学者が独学したという岩窟の天文霊神があります。バイクを絡められるフォトジェニックな場所です
。
北向地蔵尊?浅間山の噴火による飢饉を防ぐために、1786年に村人が建立。 現在、縁起地蔵として親しまれています。
天文霊神?江戸中期の天文学者 千葉歳胤が独学したという岩窟。日食・ 月食の研究を進め、天文暦術界に貢献された。
秘境の集落、ユガテへと続く道。舗装路だが急坂で狭いので要注意を。
そこからしばらく走ると、源義経がその絶景に顔を振り返らせたいう顔振峠に到着。その由来通り、秩父山脈はもとより富士山までグリーンラインから直接絶景を望めるので、バイクと一緒に景色を撮ることが出来ます。時間が合えば、茶屋やカフェなどがあるので、景色を眺めながらお蕎麦やコーヒーを飲みながらのんびりと寛ぐのも気持ちいいです。ここから高山不動尊に向かう途中、道を別れて少し先にある八徳の一本桜は、満開時には叙情的なところであろうと感じさせてくれるので、4月にこの近くにツーリングに行かれる場合は、是非、立ち寄ってみられてはいかがでしょうか。
顔振峠
顔振峠に並ぶ茶屋や カフェ。好天の日には 是非、団子でも頬張りながら素晴らしい眺望を望みたいです。ハイキン グの方々が多いので、走行注意&挨拶を。
さて、再びグリーンラインを走ると、高幡不動、成田不動と並ぶ関東三大不動のひとつ、高山不動尊に着きます。趣がある古刹の本堂は、境内に上がって参拝が出来るので立ち寄りお勧めです。
高山不動尊?654 年創建と伝わる関東三大不動の一つ。不動堂は風情あり。境内にあ る推定樹齢800年の子育て銀杏も必見です。
そして、奥武蔵グリーンラインのハイライト、関八州見晴台に着。駐車場から少し山道を登りますが、その名の通り、好天ならば関東平野から秩父連山、そして富士山まで素晴らしい眺望を望めます。
関八州見晴台?砂利の駐車場から坂道を登りますが、是非とも訪れたい景観地。約270°のパノラマビューを眺められます。
この後、グリーンラインは各峠を過ぎて、途中で横瀬の町に下ります。この辺りから秩父の代表的な山の武甲山が大きく見え出しまう。山中から採れる石灰岩の採掘により、人の手によってその山容を変えてしまった武甲山。まるでピラミッドを連想させるその異様な山容は、悪の組織の基地のようにも思えて、男心的には見ていて何となく気分が高揚する山でもあります。
芦ヶ久保から望める武甲山。
刈場坂峠?グリーンラインで、駐車場越 しに開けた景色を見れる稀有な場所。好天時には、日光、筑波山まで見渡せます。
盆地の見える丘?Google Mapsで、同名 で検索。秩父の街を一望できる景観地です。
さて、横瀬町中に下りたら、まず行ってみたいのは寺坂棚田です。昨今の棚田ブームの中で、比較的都心から近い棚田であるとともに、バックに武甲山がそびえ好景観を望めます。そして、近くの羊山公園に。4月中旬?5月上旬の芝桜のシーズンは絶景が望めるが渋滞は必至。但し、芝桜が咲いていなくても見晴らしの丘からは秩父の景観が望めるので、通常の時期でも、是非立ち寄ってみたいです。
◇秩父の桜見(4月初旬〜5月初旬)
羊山公園〜武甲山を背景に、芝桜が絶景です。
八穂の一本桜〜まさに一本桜。美麗です。
秩父市内に入ると、パワースポットの秩父神社や千体以上の石像がある金昌寺など見所も多いですが、腹ごしらえのため、わらじカツ丼でお馴染みの安田屋日野
田店さんに。並んでいることが多いですが、比較的回転がいいのでそれほど待つことがないことが多いです。時間が無ければ、市内各所にあるお蕎麦屋さんも美味なところが
多いので、事前に要チェックを。
秩父神社〜秩父のパワースポットです。
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安田屋 日野田店〜秩父市内にある安田屋。名物のわらじカツ丼は1枚860 円、2枚1080円。たれがかかったご飯が美味し いです。11:30 ? 16:30 月休
秩父蕎麦〜秩父には蕎麦の名店が多いので、事前にWEBで訪ねたいお蕎麦屋さんをチェックしてから訪ねましょう。
そして、156mと重力式コンクリートダムとして国内第2位の高さの堤体を持つ浦山ダムに。ダム上からの眺望は素晴らしいですし、ダム下にも駐車場があり堤体と一緒にバイクが撮れるのが嬉しいです。もちろん、ダムカードはありますし、そして、ダムカレーも食べれます。
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浦山ダムと、その堤体上からの景観。
そこからしばらく走った所に、急階段に赤鳥居が連なる平沢稲荷神社や、不動名水などニッチな名所があり、ぷらっと立ち寄って見るのも面白いです。
平沼稲荷神社〜急な階段に赤い鳥居が並んでいて、趣があります。
不動尊・不動名水〜平沼稲荷のそば。飲めば元気になる、かも。
そして、今回の最後の目的地、清雲寺と若獅子神社に。取材時はまだ開花前でしたが、桜が咲けば素晴らしい景色が見られるに違いないでしょう。ちなみに、この辺りからは武甲山の好眺望が望めます。
清雲寺のしだれ桜〜見事な枝垂れ桜。
ここから関越道経由で帰路に着きましたが、時間があれば関東屈指のパワースポットの三峯神社や、6.6 km の雁坂ト ンネルを抜けて山梨県に入り、西沢渓谷やほったらかし温泉、そして4月初旬に満開となる桃源郷に行くのもいいです。
今回は、奥武蔵グリーンラインを走り秩父へと回りましたが、爽快な道や壮大な景色こそないものの、歴史やその土地土地の風情を感じることが出来る、趣きを楽しめるツーリングコースだという感じがしました致しました。