■筑波山麓 歴史浪漫旅 (スズキKATANA)
都内から100km足らず、約1時間半で行ける筑波山。意外とツーリング場所として紹介される事が少ない場所ですが、なんのなんの、湯、食、道、景が揃った深楽しい場所です。距離を走るだけがツーリングの醍醐味では無く、じっくりとそのエリアを楽しむ、そんなリラクゼーションツーリングもツーリングの楽しみなのです。
首都高速、常磐道と乗り継ぎ、谷和原ICで高速を降りて10分程で木製の沈下橋の小目沼橋に到着。
小目沼橋〜昭和31年に作られた木製の沈下橋。幅1.7m、長さ95m。趣があり映画やドラマのロケに度々使われています。
川が増水すると倒壊しないようにわざと川の中に沈ませる沈下橋は、高知県の四万十川が有名ですが、この小貝川にも何本か沈下橋が架かっていて、この小目沼橋は木製のため車両こそ通れないですが、風情は抜群。橋の遠景を撮るなら下小目側、バイク絡みで橋を撮るなら平沼側がお勧めです。
小目沼橋から福岡堰の先まで10km以上に渡って続く小貝川沿いの堤防の道は、車通りも少なく爽快に走れます。
そのまま、小貝川沿いの爽快な道を走り、幾つかの沈下橋を眺め見つつ関東三大櫃の福岡櫃に。春になると、さくら公園からは堤に続く水辺の桜を楽しめます。
福岡堰〜1625年に灌漑用水として建設された堰。現在の堰は1971年築。
□関東三大櫃
福岡堰までのの他、岡堰(取手市) 、豊田堰(龍ヶ崎市他)の小貝川に架かる三つの堰の事で、江戸幕府の命により治水のために伊奈忠治が手掛けました。岡堰のそばには、サハリン等を測量した間宮林蔵の記念館やお墓があります。ちなみに日本三大堰は、柳川堰(福岡県柳川市)、箱根堰(神奈川県箱根町)、徳島堰(山梨県韮崎市)。
そして下道を走り、小田城跡に。同城跡は鎌倉時代から戦国時代に常陸国の南部に勢力を誇った小田氏に居城跡で、国の史跡に指定されています。隣接している案内所では史跡の展示もしていて、内容も充実しています。
小田城跡〜水堀に囲まれた平山城で代々小田氏が城主を努めましたが、1602年に廃城。国指定史跡。隣接の案内所では、スマホで顔出し自撮りできたり体験型展示があったりと楽しめます。
その後、北条大池経由で平沢官衙遺跡に。奈良時代から平安時代の役所の史跡で、こちらも国の史跡に指定されています。
平沢官衙遺跡〜奈良時代・平安時代の常陸国筑波郡郡衙跡で、税として集められた稲などを保管する正倉などが復元。国指定史跡。
そこから少し行った先に、国登録有形文化財の昭和初期の近代和風住宅の旧矢中邸(矢中の杜)があり、そのそばに日本の道100選に選ばれたつくば道の石碑があります。
つくば道入口にある碑
「ART SESSION TSUKUBA」という野外美術イベントで普門寺に展示された作品「筑波嶺の普門の弥陀の蓮華座」。
ここから舗装路が続き、六丁目の鳥居(筑波山神社一の鳥居)の向かいに駐車場があります。
六丁目の鳥居(筑波山神社一の鳥居)
鳥居をくぐってバイクでそのまま舗装路を上り筑波山神社近くまで行くことも可能ですが、かなりの急坂でフラットな所も少なく、足付きの悪いバイクや重量車の場合は立ちゴケのリスクも高いので、鳥居から戻って幹線で迂回して登ることをお勧めします。
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つくば道〜筑波山神社の参道として参拝客で賑わった参拝道。見所はバイクでも行ける古い街並みが残る神郡地区と石段の一番上からの風景。石段以外はバイクで上まで上る事は可能ですが、かなりの急坂のため迂回して上に駐車してからレトロな旧筑波山郵便局を見た方が◎です。日本の道100選。
つくば道にある旧筑波山郵便局を見た後、近くの筑波山ホテル青木屋でひとっ風呂。露天風呂からは関東平野が一望出来て、とても爽快です。ただ、あまり端に行くと、筑波山神社から丸見えになるのでご注意を。
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眼下に絶景が望める湯。アルカリ性単純泉で神経痛、疲労回復、美肌つくり等に効能があります。
□筑波山ホテル青木屋
関東平野を一望できる絶景の宿。大浴場、露天風呂ともに最上階にあり眺望が最高。空気の澄んだ冬には、東京スカイツリーや富士山、箱根までも望めるそう。茨城県つくば市筑波753の1 TEL 029ー866ー0311 不定休 立ち寄り(日帰り)入浴1100円 タオル100円 12時〜15時 Pあり
さて、有史以来、約三千年もの歴史を有するという筑波山神社。巨木がそびえる境内の横にはお土産&休み処が軒を並べていて、ぷらぷら見るのも楽しいです。ちなみに筑波山の男体山山頂に行くケーブルカーにはここから乗れます。
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筑波山神社〜有史以来三千年もの歴史を持つ古社で、筑波山中で一番賑わいがあります。境内の横には土産物屋が並ぶ。右のうどんは杉本屋の「つくばうどん」(900円)。趣あり。
筑波山神社を後にして、低速ワインディングが続くも路面がバンピーな笠間つくば線(19時〜8時二輪通行禁止)を走り風返し峠に。同峠から南に下る表筑波スカイラインと、北の湯袋峠方面に下る道は終日二輪通行禁止で、風返し峠からつつじヶ丘への筑波スカイラインは、19時〜8時は二輪通行禁止のため要注意です。
各道が交差する風返し峠から筑波スカイラインを走り、つつじヶ丘に。この道は距離は短いものの、所々で眼下に関東平野が望めたりループがあったりと、バイクで走って楽しい道です。
筑波スカイライン〜わずか1.7kmながら、関東平野が望めミニループもあります。但し、19時〜翌8時までは二輪通行禁止なのでご注意を。
そして突き当たりのつつじヶ丘駐車場(二輪:200円[10分以上])に到着。ここから20分おきに出ているロープウェイ(往復1120円)に乗り6分ほどで女体山駅に到着。そこから徒歩で5分ほど登って女体山頂(筑波山頂)に着きます。
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筑波山ロープウェイ〜つつじヶ丘駅から女体山駅まで約6分で結ぶ。3月1日までの土日祝に夜の空中散歩「スターダストクルージング」を実施。19時から下山道が二輪通行禁止になるので、ギリで夜景が見られるかどうか。また、ロープウェイカードなるものも販売(50円)。既に20〜30種類ほど発行されているそうです。
都内から約80kmとバイクでも労せず、自分の足で歩くのも、つつじヶ丘の二輪駐車場からロープウェイ乗り場までの約2分と、ロープウェイを降りてから山頂までの約5分と、合わせてたった7分歩くだけでこの素晴らしい景色が見れるなんてびっくり。ぜひ、一度は訪ねて見ることをお勧めします。ただ、夜景まで見ていこうと粘って19時(笠間筑波線の通行も考えると、つつじヶ丘Pを18:30発)を過ぎると、バイクでは下山できなくなるので、要注意を。?
筑波山(山頂)〜男体山(871m)と女体山(877m)の二つの峰を持ち、古くから信仰の場として参拝客で賑わった。山からの景色は標高に関係ない事を教えてくれます。
ガマランド〜つつじヶ丘駐車場にあるB級アミューズメントパーク。歴史を感じる遊戯施設や手作り感溢れるガマ洞窟などがあります。
再び、唯一バイクで筑波山中を走れる笠間つくば線を通って、筑波山を下山。
沼田屋〜那百年以上の歴史を持つ老舗和菓子店。かりんとう饅頭や四六のガマ饅頭等が人気。
まだ陽があれば、筑波山西麓の中菅間や東石田、上大島あたりから、田園越しに見える筑波山を愛車と絡めて撮影することが出来ます。また、ワンちゃんがお好きな方なら、「つくばワンワンランド(1500円:10時〜16時)もあります。
そして、そこから約20分ほどのところにある母子島遊水池は、筑波山の絶景が望める場所として有名です。小さな池ですが、逆さ筑波やダイヤモンド筑波などを見ることが出来ます。
母子島遊水池〜筑波山の撮影人気スポットですが、樹々がありバイクとの撮影はし辛いです。晴天時に是非。
そして同池から10分のところに騰波ノ江駅があります。この駅は知る人ぞ知る某映画のロケで使われた場所。新駅舎になったため趣は変わってしまいましたが、同映画を見た方は立ち寄って見てはいかがでしょうか。