■大洗と花貫渓谷(スズキ GSX250R)

ここ数年、都道府県別魅力度ランキングで最下位になってしまっている茨城県。

 

日本で琵琶湖に次いで大きい湖の霞ヶ浦を筆頭に、日本三名瀑の一つの袋田の滝、日本三名園の偕楽園、そして筑波山と魅力ある場所が多いと思うのですが…。もちろん、このランキングは観光意欲を含む各種設問の結果なので、観光名所=魅力という訳ではないのですが(但し、観桜意欲の項目も茨城県が最下位)、それにしても茨城県=〇〇といったような、県を象徴するものが少ない気もします。

 

個人的には、茨城県でイメージするのは納豆。まあ、水戸絡みではあるのですが、実は茨城県は都道府県別の農業産出額では、なんと北海道に次いで全国2位。これにはびっくり。そんなイメージなかったのに…。メロンの出荷量のほか、栗、さば、レタス、鶏卵、そして、なんとビールや淡水真珠などの生産量、漁獲高が全国1位なのです。凄いぞ、茨城!

 

そんな茨城県ではありますが、同じ北関東グループの、埼玉県、栃木県、群馬県と違って、県内に海(海岸)があります。これはもう海なし県からすると、とてつもなく羨ましいことです。海、山、農産物(グルメ?)とこれだけ揃っていて観光イメージが薄いのは何故なんだろうと思いますが、首都圏から海というと、どうしても神奈川県や千葉県のイメージが強いのもその要因のひとつなのかもしれません。

 


大洗磯前神社の鳥居である神磯鳥居。インスタグラムなどでも取り上げられていますが、普通の時に行けば普通の鳥居のある景色。過度な期待はしない方がいいかも…です。

 

いやいや、でも茨城の海は湘南とかより空いていますし、高速のインターが海に近いので伊豆や千葉よりもアクセスがしやすいです。

 

空いている、行きやすい、これはライダーにとっては大変嬉しいこと。また、圏央道や北関東道を使えば、海なし県の埼玉県や栃木県、群馬県から、慢性渋滞の都心を通らずとも比較的容易に海が見られますし、冬場でも道中、凍結の心配がないのも嬉しいです。これはもう、行くしかないでしょ!”いばらき”に。

 

今回、常磐道 三郷ICから94kmほど走ったところにある水戸大洗ICで降りて、大洗に向かう。ほどなくして海が見えてきます。いやー、海が近いなぁ。

 

まず、マリンタワーや、かねふくめんたいパークを見た後、潮騒の湯に。

 


大洗マリンタワー〜高さ60mの大洗のシンボルタワー。330円。年末休館。大洗は某アニメの聖地ということで、ここマリンタワーも含めて市内の各所にパネルやグッズがあります。

 


明太ソフトクリーム〜かねふくめんたいパークという明太子屋さんの施設内のフードコーナーにあります明太子のソフトクリーム。ちょっとピリッと辛いのが面白いです(350円)。9時〜18時

 

潮騒の湯〜大洗にある展望天然温泉。太古の化石海水の湯のため塩分が高く、神経痛や関節痛などに鎮痛効果が期待でき、保温効果も高いです。入浴料:平日800円、土日祝ほか1,000円。お風呂10時〜23時。年中無休。

 

潮騒の湯では保温性の高い塩分高めの湯がいただけるほか、冬ならば海を眺めながらあんこう鍋や牡蠣などの旬のグルメを食せますし、寝転がって急速を取ることが出来ます。

 


大洗の冬のグルメといえば、あんこう鍋。コラーゲンがたっぷりで美容にも◎。市内の各所で食せます。画像は潮騒の湯のあんこう鍋。

 

かあちゃんの店〜大洗漁港にある人気店。昼食時は長蛇の列を成すので要注意。生しらすがお勧めです。画像はかあちゃん定食(900円)。

 


カキ小屋〜かあちゃんの店の対面にあり、店頭でカキやホタテなどの海産物を自分で選んで買って店内で食べられます。お勧めの店内の奥にある食堂。各種定食があるほか、網焼きも楽しめます。但し、やはり土日祝日は混むこと必至です。

 

ライダーズカフェ 風の隠れ家〜カキ小屋前にある、70〜80年代のバイク関連のグッズやアイテムが集められたカフェ。OH!モーレツのリアルポスターもあります。水休。11時〜17時。

 

温泉に入った後、大磯磯前神社を参拝し、海岸に出て神磯鳥居を見ながらしばらく休息。そのまま大洗海岸通りを北上し、那賀川を渡るとひたちなか市に入ります。

 

大磯磯前神社

 

ここで是非見ておきたいのが、那珂湊反射炉跡。今、立っているのは昭和12年に復元されたものですが、意外とこんなところにあるのか…感がいいですね。

 


那珂湊反射炉跡〜世界遺産の韮山反射炉、萩の反射炉とともに日本三大反射炉に数えられる反射炉跡です。幕末の水戸藩の軍事意識の高さが感じられます。

 

その後、那珂湊のおさかな市場をぷらぷらして、阿字ヶ浦海水浴場に。

 

茨城の海岸って、漁港や工業地帯のイメージが強いですが、意外と砂浜もあって海水浴場も多いです。もちろん、夏場は混雑しますが、シーズンを外せば意外とのんびり砂浜で海を満喫できます。

 

阿字ヶ浦

 

そして、このあたりから海を眺めながらの走りが楽しめます。

 

茨城県は、大洗から南側の鹿島あたりにかけての海近くの道は、残念ながら海を見ながら走れる一本道が少ないですが、逆に、阿字ヶ浦から北に向かうと、阿字ヶ浦付近や日立バイパスなどでシーサイドランを楽しむことが出来ます。

 


日立バイパス〜日立市にあるシーサイドバイパスで北茨城の海岸線沿いの好景観を眺めながら走れます。一部が海上橋になっていて、海の上を走れるのも楽しいです。

 

時間があって花が綺麗な時期なら、ここでひたち海浜公園に寄るのもありですが、今回はひたち海浜公園の看板を横目に海岸線沿いをしばらく走ります。やがて、”原子力”という字がここそこに現れます。日本で最初に原子力の火が灯った東海村です。国内原子力産業の拠点とあって、いろいろな施設が立ち並んでいます。ちょっと雰囲気が違う場所で、少し緊張しながら走り抜けます。

 

そして、久慈川を渡ると、大メーカー”日立”の創業の地、日立市に入ります。ちなみに、同地は昔、日立村と呼ばれ、それがメーカー名の日立の由来になったらしいです。まさに日立の城下町という感じで、国道245号線沿いには日立の施設が立ち並んでいます。日立市街地は車の往来も多いので、田楽鼻あたりからは道は狭いが海沿いの道を走るのが、旅感的にもお勧めです

 


泉が森〜奈良時代からある日立市のパワースポットです。某芸能人が池の画像を携帯の待ち受け画面にしたら、仕事が増えた…とか。

 


日立灯台〜住宅街の公園にポツンと立つ現役の灯台。強い海風で曲がった緑の松と白い灯台のコントラストがいいです。

 

その後、再び国道に入り、北上。やがて日立バイパスに入り、国道6号線に合流後、再北上して高萩市に向かいます。途中、国道直結の常磐道 日立北ICがあるので、少しの距離ですが高速で国道をショートカットすることも可能です。

 

そして、朝の連ドラの舞台ともなった高萩。歴史ある城下町ですが、朝ドラにもあったような田園風景が広がったりしていて、バイクでぷらぷら田園の中の道を走ってみるのも楽しいです。

 

高萩市〜旧城下町として、こじんまりとした”お屋敷通り(画像)”や、通りの突き当りの小学校に城跡があったり、市内のところどころに立派な白壁の旧家があったりと、プチ風情を楽しめる町です。

 

穂積住宅〜1789年に建てられた豪農の家。県指定文化財。9時〜16時。月休。入館無料。

 


花貫ダム〜日本では数少ない、海が見える(ただし遠望)ダムの一つです。

 

そして、高萩市街から約8kmほど走ったところにある花貫渓谷。茨城県の観光パンフレットなどに必ず掲載される同県を代表する紅葉の名所ではありますが、他の時期に来てもその風情は楽しめます。意外と駐車場からそんなに歩かずに行ける場所なのでお勧めです。

 

花貫渓谷

 

そして、そのままそこからまた8kmほど戻ると、すぐに常磐道 高萩ICに入れます。

 

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