■千葉の絶景を巡る旅その1(スズキGSX250R)

いやー、最近、房総にはまっています。

 

なんたって温暖だし、都内からアクセスがいいから日帰りで十分に楽しめます。

 

お金もあまりかからないし、まさに“安・近・短”な場所。

 

お金も時間もないお父さんにはうってつけのツーリングエリア。しかし、まだあまり知られていない、ライダーの好物である絶景があるんですよ…

 


やはり、眼前に広大な砂浜を望むと心が躍る。

 

冬は、布団の中から出るのでさえ辛いというのに、寒気の中、バイクに乗ってツーリングに行こうと思うには、よっぽど気持ちが盛り上がらないと、まず、バイクまで体を持っていくことが出来ない。

 

絶景、グルメ、温泉…布団の中でいろいろと思い浮かべながら、モチベーションを上げていき、なんとか起き上がると、その余勢をかって走る準備をし、やっとバイクのエンジンをかけるまでに至ります。

 

そんな冬ツーリングですが、寒い中、頑張って出掛ける分、恩恵もあります。まず、道や観光地が空いていること。それから空気が澄んでいていつもより景色がきれいに見えること。そして、晴れの日が多いことです。もちろん、降雪や凍結には最新の注意が必要ですが、こと寒さに関していえばインナーや電熱グッズの進化により、ある意味、酷暑下よりは走りやすくなっているのではないか、と思います。

 

さて、千葉県の大部分を占める房総半島ですが、温暖で降雪や凍結の心配が少ないし、首都圏から近くてアクセスも良いので日が短い冬でも十分に楽しめるので、すぐに行きやすいです。

 

都内から京葉道路経由で千葉東金道路に入り、一度、一般道に降りた後、東金九十九里有料道路に入ります。この辺りの料金所はEtCカードやクレジットカードが使えない自動徴収機なので、事前に小銭を用意しておいたほうが便利です。そして、九十九里有料道路に入り、九十九里浜沿いを南下します。

 


九十九里有料道路〜爽快に海沿いを走るか、下りて海水浴場でたたずむか。二択の道でもあります。

 

交通量が少なく海沿いをまっすぐに走る爽快路ですが、海辺に行くには一般道に下りなければならないのが難点。とはいえ、やはり海を見たら海辺に行きたいもの。白里ICで下りて、白里海水浴場、中里海水浴場と回ります。

 


白里海水浴場〜有料道路をすぐに下りることになりますが、寄って損のないお勧めの海水浴場。バイクと砂浜に絡めて写真が撮りやすいのもいいです。

 


一宮海水浴場〜広い駐車場内で海に沿って砂浜間近の舗装路を数百メートルですが、海沿いを走れて気持ちいいです。

 

下道の県道30号線(九十九里ビーチライン)からだと海がまったく見えず、数ある各海水浴場への案内板だけを見て行くか行かないかを判断しなければならないため、事前に行ってみたい海水浴場をピックアップしておいた方が○です。

 


釣ヶ崎海岸〜周囲には何もないが、なんとここが東京オリンピックのサーフィン会場らしいです。ということはいい波が来やすいということで、鳥居も立っているのでインスタ映えがしやすいです。

 


長生観音〜長生村にある長生観音。ポツンと立ってはいられるが、お参りすれば長生き出来そうです。

 

さて、お洒落なサーフショップや雰囲気のいいカフェが沿線に点在する一宮海水浴場付近を過ぎ、いすみ市に入り海沿いの道を走ると、ほどなくして津々ヶ浦に到着。

 



津々ヶ浦〜東京からこんな近くで軍艦島がみれるとは…と一瞬思ったほど、プチ軍艦島感のある津々ヶ浦の夫婦岩。

 

海上からそびえる大きな岩と、荒々しい太平洋の荒波が眼前に広がる絶景スポットです。雄大なロケーションながら駐車場(未舗装)にバイクを停めてバイク絡みの写真も撮れますし、階段があって海岸にも降りられるお勧めのスポットです。

 

そして、そこから少し走って太東埼灯台に。

 

太東埼灯台〜高台からは雄大な太平洋の景観や、外房の海岸線が望められて気持ちいいです。Pあり。

 


※戦時中、三浦半島と同様に首都の防衛線を担った房総半島には、随所に戦争の遺跡が残っています。太東埼にも戦時中に使われた電波探知機の礎石が残っていて、“見晴らしのいい岬や灯台=戦時中には砲台や掃射場として使われていたところ”という場所が多いので、綺麗な景色を見ても少し複雑な気分になったりします。近くにはフーセン爆弾打ち上げ基地跡の碑(驚いたことに、ここから打ち上げてアメリカ本土に着弾したものもあったらしいです)や、特攻艇の浸水スロープ跡などもあり、時にはそれらの歴史に触れながらツーリングをしてみるのも旅や自分をより奥深いものにしてくれるかもしれないです。

 

ここの高台から、外房と太平洋の大海原を一望することが出来ます。また、素晴らしい欄間彫刻が残る飯縄寺が近くにあるので、是非、立ち寄りたいです。

 


飯縄寺〜葛飾北斎の代表作「神奈川沖浪裏」の波の作風に影響を与えたとされます、彫刻師の波の伊八の最高傑作品「天狗と牛若丸」は必見です。10:00〜18:00 拝観料300円。

 

そして再び、国道128号線(外房黒潮ライン)に入り、夷隅川を渡った後、海岸線沿いの道をに入り、大原漁港に。ここで少し早い昼食を取ります。

 


船頭の台所〜人気の地だこを使った蛸飯(1,000円)は、注文してから作るので25分ほどかかります。

 

その後、今回のメインの目的地である小浦海岸に。

 

岩の穴から断崖が見える場所があり、昨今、濃溝の滝や江川海岸に続く房総の絶景としてよく取り上げられている場所です。すでに観光地化されているのかな…と思って向かいましたが、現地には案内看板も無く、やっと探し当てた海岸への入口には何もなくて、全く観光地化されておらず、懸念は杞憂に終わりました。

 


幹線から小浦海岸へと向かう道。ここから海岸までは歩いて約10分ほどです。

 

小浦海岸へと向かう道は未舗装路ながらバイクで行けそうな感じではありましたが、バイクがオンロードタイプということもあり、歩いても海まで10分ぐらいなのでバイク置いて歩いて行きました。が、これが正解。道中、ぬかるみはあるわ、道が見えづらい真っ暗なトンネルはあるわ、深いわだち道があるわで、これは軽量なオフ車じゃなきゃ来るのは無理でした。

 

ちょうど10分ほど歩いたところに芝のスペースがあり、そこから降りる小浦海岸に着きました。

 


ここが芝のスペース。バイクはここに止められそうです(オフ車で)。右手前に海岸に降りる道があります。芝のスペースの所をまっすぐに行くと獣道があって、そこからでも一応石の穴までショートカットして行けますが、服が汚れるので海岸経由の方がお勧めです。

 

この小浦海岸も人気が無くて、海岸から見る断崖と荒波の景観が素晴らしくて、ここだけでもありですが、目的の石の穴からの景観を見たいので辺りを探してみますが、どこを探しても石の穴が見当たらないのです。半ば諦めて先ほどの芝のスペースに戻って調べてみると、まっすぐ進んだ先に獣道みたいな小道を見つけました。半信半疑で草をかき分けて進んでみると…ありました、目的の穴が。いやー、これはなかなかの好景観。来た甲斐がありました。ただし、ジーンズにセンダングサが付きまくりで、ジャケットも汚れていました。

 

ちなみに、穴からの帰りに調べてみましたら、分かりづらいですけど小浦海岸からこの石の穴に来る道がありました。そちらからの方が服にセンダングサが付かないし、全然、楽でした。

 


ここが小浦海岸。画像の左端あたりに小川が流れているところor跡があるので、その川沿いに少し上ります。

 


これが、その小川。川の脇を歩いて少し歩くと、川の中を渡河するたもめの石が川に並んでいますので、そこを渡って、対岸の草の中の小道を進みます。

 


草の中の小道を登りつつ進むと、小穴を発見!

 


近づくと、2つの穴があり、右の穴からは太平洋が、左の穴からは…

 


左の穴からは、岩の穴から荒波が打ちつける断崖を覗き見えます。全く観光地化されていないので、行くなら今うち、かも。

 

但し、場所が狭いので、他の観光客とかち合って撮影の順番待ちとかになったら気恥ずかしいかもしれません。もし、小浦海岸に行くのが面倒な場合は、そのすぐ近くに幹線からすぐのところにあるドン・ロドリゴ上陸の地というところから、似た風景を見ることが出来ます。

 


ドン・ロドリゴ上陸の地〜小浦海岸まで行くのが面倒でも、ここから断崖の景観んが眺められます。

 

実は、この近くにもう一つ必見の絶景ポイントがあります。それが大波月海岸です。

 

ここも朽ちた看板があれど明確な案内がなく、海岸への入口が分かりづらいです。微妙な小道が海岸へと続いていて行こうかどうしようか迷いがちですが、先ほどの小浦海岸と違って歩きやすい小道で、しかも歩いて5分ほどで絶景の海岸に着くので、是非、訪ねてもらいたい場所です。ただ、人の手があまり入っていないので、自撮りなどに夢中になって海に滑落したり、波にさらわれないようご注意を。

 

また、その近くの高台にあるメキシコ記念塔も必見です。ここからの眺望と同じくらいに、その史実も素晴らしいです。

 


幹線からの大波月海岸への入口。朽ちた看板が目印。右端に海岸へと続く小道があります。

 


大波月海岸〜比較的手軽に身に行ける絶景地ながら、来る人も少ないお勧めのスポット。安全柵などないので特に高所恐怖症の方はご注意を。

 


メキシコ記念塔〜江戸時代に御宿の人達が難破したスペイン船の乗客300人以上を救助したことを伝える記念碑。戦時中、同碑の取り壊し命令が出された際も村人たちが守り抜いたという史実を知るだに感慨深いです。

 

※千葉の絶景を巡る旅その2【千葉県)】に続きます

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