■南房総(スズキSV650 ABS)
以前は、都心から近くも遠かった南房総。
東京湾アクアラインが出来て、富津館山道路が冨浦まで伸びたことで、内房や館山へのアクセスが非常によくなり、首都圏からはもちろんのこと遠方からでも気軽にツーリングを楽しめるエリアとなりました。
さて今回はまず最初に、川崎から東京湾アクアラインを渡った木更津にある江川海岸に寄りました。
江川海岸〜海中から電信柱が立っている様がインスタで人気に。しかし、そのような景色を取るには、満潮時の朝駆けか夕焼け時の撮影が必須になります。
インスタ映えで人気になった場所ですが、アクアラインからも近く駐車場からも歩いて時間がかからないということもあって、意外と都心から行きやすいスポットです。
そして、木更津金田ICから自動車道に乗り富津竹岡ICに。そこから燈籠坂大師の切り通しトンネルに立ち寄りました。
燈籠坂大師の切り通しトンネル〜アクセスが至便なので、一見の価値ありの手掘りのトンネルです。バイクと絡めて写真が撮れるのが○。
そして、その近くにある行列ができるラーメン屋さん「梅乃家」に。場所は走っていて醤油の香ばしい香りがしてくるので、すぐに分かるはずです。店内は狭いですが回転が早いので、並んでいても結構早く店内に入れます。特徴的な真っ黒なスープは好みが分かれるところかもしれません。
梅乃家〜富津市にある竹岡式ラーメン発祥の店。どす黒いスープに一瞬ビビりますが、醤油ベースでコクがあり美味。クセになりそうな独特な味。たまねぎの薬味(50円)を入れるのがお勧めです。ラーメン800円。火・水定休。
再び、富津館山道路に入り鋸南保田ICに。ちなみにお金はかかりますが、短い区間でも館山道路を走った方が、海岸線の混む一般道を走るより時間的効率はかなりいいです。
そして、その名に誘われて「道の駅 保田小学校」にぷらっと寄りつつ、人気の漁協直営食堂の「ばんや」で早めの昼食を取りました。ここは新館ではなく本館にしかない「イカかき揚げ丼(750円)」がお勧め。新館に入った場合は、料理のお値段が高めなのでほどほど量がある小盛りを頼む方が割安かもしれません。
ちなみに、近くの浜金谷には、都心から一番近くバイクでフェリー旅が楽しめる東京湾フェリー乗り場がありますので、三浦半島の久里浜から、または久里浜へ行くルートで房総半島&三浦半島のツーリングが楽しめます。
道の駅 保田小学校〜木造校舎の道の駅を期待していましたが…。食事処や郷土品の販売などを行っています。教室を模した宿舎で宿泊も可能。1泊4,000円(※2名以上)。
見た目はグロいですが、ばんやで一番費用対量があると思われます、新館のあら煮(700円)。
都心に一番近いフェリー航路(久里浜〜浜金谷)の東京湾フェリー。旅情が高まること請け合いです。バイク1,590円〜2,310円(大人1名を含む)。
ここから県道34号線(長狭街道)を内陸の方に20分ほど走ると、都心に一番近い棚田の大山千枚田に到着。昨今のインスタブームによる新潟県の星峠の棚田や石川県の白米千枚田などの棚田人気の流れで、この大山千枚田にも観光バスが何台も連なって来て、多くの観光客が訪ねるようになりました。恐るべき、インスタグラムパワー。
大山千枚田〜日本の棚田百選にも選ばれていて、毎秋に3000本もの松明が灯されます。
大山千枚田から25分ほど走ると、インスタ映えの発祥の地ともいえる濃溝の滝に着きます。インスタ映えになった場所は、本来は亀岩の洞窟と呼ばれるところですが、何故か(別場所にある)濃溝の滝という名の方が一般的に知られています。
洞窟に光が差しハートの形になった画像はかなりインパクトがあったおかげで、一気に見学ツアーが組まれるほどの観光地になりましたが、その時期、その時間に見なければ、ただの穴から水が流れている場所。それでも心眼であのハートの形の光景を被せて見ることで、ここに来た満足感は得られるのかもしれません。
亀岩の洞窟(濃溝の滝)〜元祖インスタ映えの地。立派な駐車場完備で、週末には多くの観光バスが来て駐車場に入れないほどです。インスタ的な画像を見たいなら、その時期の朝一番に、洞窟に光が差す瞬間を見る必要がありますが、著名地なので、未見なら立ち寄ってみるのもいいかも、です。
そのまま鴨川有料道路経由で外房に抜けて、そして国道128号線(外房黒潮ライン)を海沿いに南下しました。ちなみに、千葉の道は○○ラインなどといろいろな名称があって面白いです。
そして鴨川松島に。
”松島”と名乗るにはかなり物足りないですが、車通りも少なく、静かで風光明媚なところです。この辺りから荒々しい太平洋の白波と、ゴツゴツとした岩が広がる海岸線を眺められるようになり、気分が高揚してきます。良さげな海岸があったら、バイクを停めてぷらっと歩いてみるのもいいかもしれません。
鴨川松島〜インスタ映えもされず観光地化もされていない、こういう普通に見て綺麗だな〜と思える場所は、個人的には好きです。
小戸公園〜変わった形の岩と、ヤシが生えている芝生とのコントラストがいい感じの場所。公園内にはドラマで使われたという白いブランコもあります。
やがて、房総フラワーラインへと入ります。
冬場には、温暖で花咲くツーリングルートとしてよく紹介される道ですが、人が少ない秋に走るフラワーラインも、また乙なものです。ここからは、出来るだけ海岸線近くを走るようにしました。例えば、千倉の辺りからはフラワーラインより海側を走る道があり、千田の花畑や磯笛公園などを見て回ることが出来ます。
道の駅 ローズマリー公園〜ヨーロッパ調の道の駅。地元農産物も販売しています。
磯笛公園〜芝生や日よけ付きのベンチ、トイレなどもあり、綺麗な海を見ながらのんびりできます。公園のそばにある南国ホテルは、飲み放題(夜はビールも)のバイキング付きで1泊2食1人8,424(税込)から泊まれます。
根本海岸〜とても水が綺麗な海岸で、国道沿いのトイレ脇からも入れます。キャンプ場もあり。
そして、野島埼灯台、洲埼灯台と回ります。個人的には、灯台は登るのがしんどいのと、登って見えるのが当たり前ですがどこも海原ということで、最近は体力と時間をかけないために遠方から灯台を見て満足することにしています。
野島埼灯台〜神奈川県の観音崎灯台に次いで日本で2番目に点灯した洋式灯台。灯台からの景観は素晴らしく、日本の灯台50選にも選ばれています。
洲埼灯台〜約15mの小さな灯台ながら、来た感があるので立ち寄りたいです。ただし、駐車場代がかかります(お土産屋さんのお土産分)。
荒々しい外房と違って、内房の海は穏やかです。そんな内房で、最高レベルの水質でマリンブルーの海が見られる沖ノ島はお勧めの場所です。夏は激混みですが、オフシーズンなら、バイクは無料駐車場に停めて関東大震災の隆起で出来たという砂浜を渡れば、島に歩いて行けます。房総随一、透明感の高い海です。
沖ノ島〜綺麗な入り江や貝殻が拾える場所などがあり、時間があれば島内を巡るのもいいかも。
再び、海沿い(内房なぎさライン)を走り、館山のビーチを横目で眺めながら崖観音(大福寺)に。高台にある境内から見える内房の景色はなかなかです。
崖観音(大福寺)〜急ですが、段数が少ない階段を登ると眼下に東京湾を望めます。
そして、インスタブーム以前からカメラマンたちに人気の高い、原岡桟橋に。海に向かって一直線に伸びる桟橋で、朝昼夕夜といろいろな表情を見せてくれるところです。
原岡桟橋〜常に人が多いので平日に訪ねることが必須。晴れていれば桟橋の向こうに綺麗な富士山を眺めることが出来ます。
南房総には、爽快に飛ばせる道や雄大な景色があるわけではなく、全体的にスケールの小粒感は否めませんが、温暖で一年中走れて、これだけシーサイドを走れる場所は、国内でもなかなか無いように思います。都心から最も近いツーリングエリアながら、遠方からもツーリングの目的地として楽しんで欲しいエリアです。
見物海岸〜内房側の房総フラワーライン沿いにあります。