■佐野・唐沢山(スズキGSR250)

 

戦国最強の武将と言うと、だれを思い出すでしょうか。

 

「覇王」織田信長か、はたまた「甲斐の虎」の武田信玄か。いや、やはり手取川の戦いで織田信長軍を破り、川中島の戦いで武田信玄と対峙した「軍神」上杉謙信の名を挙げる人も多いでしょう。大きな戦いでは生涯無敗を誇る上杉謙信をもってしても、10度も攻城をして一度も落とせなかった城。そして、関東の雄たる北条軍を四度にも渡り撃墜したのが、佐野氏が籠城した唐沢山城です。

 

 

城主の佐野昌綱とその軍が粘り強かったのは言うまでもないですが、この唐沢山城が、天険ながら各所に井戸があり水源に恵まれていたこと。そして、空堀の造成や多数の堀切などにより、外部からの侵入者を容易に近づけさせない山城ならではの強さを持っていたこと。そして、山の中に多くの兵を常駐させられる比較的平坦な場所が多くあったことなどが、その堅城要素として挙げられます。

唐沢山城跡〜城は本来、敵の進入を防ぐために作られたものなので、本丸や天守閣跡などまでぐるっと歩かされることが多いですが、ここは駐車場から本丸跡まで比較的平坦で歩きやすく距離もさほど長くないので気軽に散策しやすいです。駐車場が城跡に隣接しているのもうれしいです。

 

今なお、関東の城では珍しい高石垣や、当時、物見やぐらがあった景色抜群の天狗岩。そして桝形虎口の城門跡など、上杉謙信と戦った戦国の当時を偲ばせてる場所が随所に現存しており、関東七名城の一つにも数えられる城跡です。

 

 

ついつい行きたくなる真ん中

 

北関東自動車道が出来てから至便となった佐野市北部。難攻不落だった唐沢山城の真下を突き抜けるように作られた唐沢山城跡トンネルを走ると、なんか時代の流れを感じてしまいます。

 

さて、佐野田沼ICを降りて2kmほどのところにある「道の駅 どまんなか たぬま」。分かりやすくてインパクトのあるそのネーミングについつい寄ってしまいたくなる場所ですが、おすすめは無料の足湯(9:30〜)。全長が7mもあり約30人が入浴できる、北関東道沿線上で唯一の足湯施設です。

 

道の駅 どまんなか たぬま」〜日本列島の東西南北の基準点を線で結び、その線が交わる中心点が旧田沼町にあることから名付けられた「どまんなか たぬま」。でも、何故か道の駅内にモニュメントとか中心点の碑とかあが無いんですよね。もったいない。

 

そして、道の駅からほど近い場所にある田中正造生家にも、是非立ち寄ってみたいです。社会の授業でその名前を覚えた記憶のある人物ですが、足尾銅山鉱毒事件においての氏の行動や、命を懸けての明治天皇への直訴などを、改めてこれを機に知り学ぶことによって時代は変われどなにか感じ得るものがるように思えます。

 

そこから北に向かって数キロ走ると、名水100選にも選ばれた出流水弁天池湧水を水源とする、水が澄んでいてきれいな出流原弁天池があります。

 

田中正造生家〜田中正造没後100年として佐野市で顕彰事業が行われ、何故か「しょうぞうくん」なるキャラクターも作られました。ちなみに生家と道を挟んだ向かい側に氏の墓所もあります。

 

出流原弁天池〜さすがは名水100選で作られた池だけあって、底まで透き通って見えます。鯉も気持ちよさそうに泳いでいます。

 

◇磯山弁財天

 

出流原弁天池に隣接したところにある弁財天。社殿は釘を一本も使わずに造られた舞台造り。銭洗い弁天もあり景観も素晴らしいお勧めの立ち寄りスポットです。

 

“佐野”と言えば…

 

佐野と言えば、最近はアウトレットモールというイメージも強いですが、やはり佐野ラーメンと佐野厄除け大師を思い出します。

 

佐野に行ったらやはり佐野ラーメンを食べたい。しかし市内には二百数十軒!ものラーメン店があるため、何の前情報なしに行くと、迷ったり、定休日だったりすることがあるので、事前にどこに行くか調べておき、人気店であれば行列が出来ていることも考えて数軒リストアップしておく方が無難です。また、ランチ後に午後休憩に入るお店も多いので、行く時間には注意が必要です。

 

◇佐野らーめん
関東の有名なご当地ラーメン。竹を使って麺を打つ青竹打ちで平麺が特徴。あっさりとしながらもコクのある透き通ったスープのものが多いです。

青竹手打ちラーメン日向屋(佐野市免鳥町548-7)〜まさに王道系の佐野ラーメン。深みのある醤油系のスープに歯ごたえのある平麺。並ぶのは必至。水休 11:00〜14:30 17:00〜20:30

 


森田屋総本店(佐野市堀米町70)〜創業51年の佐野の草分け的ラーメン店。濃いめの醤油スープに柔らかめの平麺。チャーシューが美味しい。

 


らーめん おぐら屋(佐野市出流原町993-1)〜出流原弁天池の近くにある人気店。あっさりしていながらコクのあるスープと平麺が美味。駐車場が大きく店内も広いので比較的入りやすいです。餃子は普通。月休 11:00〜19:00

 

そのほか、お薦めの佐野グルメは、ご当地B級グルメといってもいいイモフライ。こちらは市内に二十数軒が点在していますが、行き当たりばったりで行くとなかなかお店に巡り合えないので、やはり事前に場所や定休日を調べておいた方が〇。できれば江原商店のような風情なところで食すると旅感が高まります。

 

◇イモフライ
ジャガイモに衣をつけて揚げたもので、串揚げみたいなものだが、タレが甘辛いのが特徴的。コロッケや他のフライ、焼きそばなどを併売しているお店も多いです。

江原商店(佐野市高萩町561-1)〜イモフライの有名店。衣がモチモチで中のイモはホクホク。イモフライ1本70円。日祝休 10:00〜19:00

 

◇とちおとめ
実は、いちごの生産量日本一は栃木県。シーズンには至る所で「いちご狩り」ののぼりがあり、食べ放題が行われています。時期はGWぐらいまでですが、粒的にはお早めに。

 

田沼観光農園(佐野市小見町362)〜道の駅 どまんなか たぬまに隣接。30分食べ放題1,000円。持ち帰り用のパック販売も行っています。月休 9:30〜15:00

 

佐野厄除け大師は関東三大大師のひとつに数えられていて、九四四年創建の古刹です。自身の年が厄年ならば、そんなに時間がかからないのでツーリングついでに厄払いをしてもらうのもいいかも。帰路の安全度が確実に高まる、はずです。

 

佐野厄除け大師〜駐車場が境内にあり、日本一の金の梵鐘が見れる。通常の厄除け祈願は三千円から。また、バイクを持ち込んでの車両と自身の厄払いも一万円で行ってくれます。予約不要。

 

SPRING HAS COME

 

取材時はまだ未開花でありましたが、三月下旬より市内の各所で花木が色付き始めます。桜は市内の桜山公園が有名ですが、バイクで行くなら、満願寺の山門にある樹齢約三百年のしだれ桜もお薦めです。また、三月下旬からゴールデンウィークにかけては菜の花が見ごろで、特に市の南部に位置する秋山川と渡良瀬川が合流する船津川町の土手では、約二キロにわたって一面の菜の花が咲きますので、この時期に佐野に行くなら是非立ち寄ってみたい場所です。

 

そのほか、四月下旬から五月下旬にかけてはツツジが見頃。城山公園や前出の出流原弁天池周辺がお薦め。唐沢山城跡の石垣もツツジに囲まれるので、江戸時代に「関東八か国一」と称された眺望と合わせて見に行くのも乙です。

 

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