■両毛線沿い(ヤマハXSR700)

栃木県小山市と群馬県前橋市とを繋ぐ、JR両毛線。沿線には歴史ある町が多くあり、各町の各々の歴史からそれぞれ特徴的な風情を醸し出しています。そんな両毛線沿線の町を訪ねるツーリングを行ってみました。

 

今回は、小山から前橋へと向かうルートで走りましたが、まず、小山に行く前に渡良瀬遊水地の「生井桜堤」に立ち寄ってみました。

 

 

栃木県、埼玉県、群馬県、茨城県と4県にまたがる広大な遊水地の渡良瀬遊水地。いろいろな見どころがありますが、この「生井桜堤」は関東の富士見百景にも選ばれた場所で、春には花見や野焼きも楽しめます。また、画像のように気球が飛んでいることもあります。

 

また、その近くに、全国でも珍しい平野部の「三県境」があります。普通、三つもの県境ともなると、山中や川という場合が多いですが、この、「栃木県、埼玉県、群馬県」の県境は、渡良瀬遊水地の近くの場所にポツンとあります。

 

※三県境

 

当初、自治体が「三県境」として盛り上げようとしたらしいですが、いまいちだったらしく、今はひっそり看板が立っているだけで、その侘び感がまたいいです。

 

さて、いよいよ小山市に。

 

宇都宮市に次いで栃木県で2番目に多い人口の町であり、小山城の城下町であり、関ヶ原の戦いの際に徳川家康がここで評定を行い関ヶ原へと向かった「小山評定」の地としても有名なところでもあります。

 

※小山評定の碑

 

※小山城の脇、石垣のある堀の道で。

 

そんな小山市で立ち寄ってみたかった場所が、元小山遊園地のメリーゴーラウンドがあるという「おやまゆうえんハーヴェストウォーク」。栃木県屈指の遊園地だったが2005年に閉園した「小山遊園地」。今はその跡はショッピングモールになっていますが、その中に、小山遊園地で稼働していたメリーゴーラウンドがモニュメントとして残っています。

 

 

当時、多くの子供たちが乗って笑顔で手を振っていたんだろうな…。なんて思うと、少しもの悲しさも感じてしまいます。

 

そして、実は小山にはあの紫式部のお墓があるというので見に行きました。紫式部といえば、平安時代に京の都で枕草子を書いた女性作家。その紫式部のお墓が、なんで京から遠い小山市にあるのかと…

 

 

それは、小山市はずれの「天平の丘公園」というそれらしい場所にあるのですが、要は紫式部のお墓ですが、枕草子を書いたあの紫式部とは違う方のお墓らしいです。でも。近くに古墳があったりして、ぷらっとバイクで寄ってもいい感じの場所です。

 

 

そこから両毛線と平行する県道31号線を走ってると、こんな風景も見られました。

 

 

そして、蔵の町「栃木市」に。

 

 

町中には蔵造りの家屋が立ち並び、観光地にもなっています。お勧めは、上の写真を撮った巴波川橋からの風景。川を渡る舟と蔵をバイクと絡めて撮影することができます。風情がある場所がところどころにあって、ぷらぷらと走り回ってみるのも楽しいです。

 

 

ちなみに同市にあるスタバは古民家風でした。

 

 

そして、そのまま北部の大平山に。麓には無料の駐車場があり、あじさい坂や六角堂を見ることができます。

 

クネクネ道をバイクで走ると、やがて見晴らしの」いい場所に到着。あの上杉謙信がここから関東平野を眺めて、その大きさに驚いたといういわれがある「謙信平」です。

 

 

 

茶屋が並び、景色を見ながら一服することもできます。

 

 

ただ、個人的には、その先にある「大平神社」の境内からの景色の方が良かったです。

 

 

創建827年といわれる大平神社は、道沿いにある朱塗りの門から本堂まで石段を結構上りますが、参拝用の道が本堂脇まであるので、そちらを利用するのもありかと思います。

 

 

大平山を下山後、そのまま佐野市に入りました。

 

江戸〜昭和の建物が点在する旧宿場町で、「佐野厄除け大師」や「唐沢山」、「佐野らーめん」などの見どころ、食べどころが多い佐野市ですが、以前に佐野市をツーリングしたこともあることから、今回は町中にある明治時代の溶鉱炉「キューポラ」の史跡が残る佐野鋳造所跡(鐵館)のみ立ち寄りました。キューポラって、映画の題名のイメージが強いですが。溶鉱炉のことだったんですね。

 

佐野・唐沢山ツーリング

 

※佐野鋳造所跡(鐵館)

 

その後、足利幕府を開いた足利氏発祥の地で、鑁阿寺や足利学校、足利織姫神社など、歴史的史跡がたくさんある足利市に。詳しくは足利市ツーリング記事をご参照ください。

 

足利・渡良瀬橋ツーリング

 


足利氏の氏寺「鑁阿寺」の本堂は、なんと国宝!

 

また、足利といえばあの「渡良瀬橋」の歌の舞台で、歌詞に出てくる渡良瀬橋はもちろん、今なお残る「床屋の角の公衆電話」や、焼失してしまったものの再建された八雲神社などが実在していますので、歌が好きな方は、是非、寄ってみてはいかがでしょうか。

 

 

続いて、桐生市に立ち寄りました。織物の町で。レンガ蔵が残り、レトロ感を味わえる街です。

 


ノコギリ型の屋根が残る国文化財の旧金谷レース工場。現在はカフェテリアになっています。

 

織物の体感ができる織物参考館(左)や、かつて、味噌や醤油を醸造のために使われていた赤レンガの蔵が無料で見られる「有鄰館(右)」などがあります。

 


明治時代の洋館で国重要文化財の「桐生明治館」。

 

そして、伊勢崎市に。

 

絹製品の産地として栄えた昭和レトロな懐かしい街で、大正4年に寄贈された県内最古の鉄筋コンクリートの建造物「旧時報鐘楼」は必見です。

 

 


明治45年建築の木造の西洋建築物「いせさき明治館」。

 


上州名物「空っ風とかかあ天下」のかかあ像も街中にあります。

 

最後に両毛線の終点(始点)の前橋に。お馴染み群馬県の県庁所在地ではありますが、詩の都として、抒情あふれる探訪が楽しめる街です。

 

特に明治時代の迎賓館「臨江閣」は、是非とも立ち寄りたい場所です。

 

 

日本一古い木馬がある「船橋るなぱーく」料金10円!(左) 世界遺産「田島弥平旧宅」。1863年建築の住宅兼蚕室です。(右)

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