■雲上パラダイス〜八幡平

岩手山、八幡平と、日本百名山の二山に囲まれた風光明媚な八幡平。その山域には、両山の美しい稜線を眺めながら走ることのできる無料の観光道路が幾つもあります。特に、紅葉時には真っ赤に染まる景観に魅了されますが、今回、そんな東北屈指のツーリングエリアの八幡平を、雲上に広がるニッチなスポットと共に紹介致します。

 

 


紅葉時には、東北屈指の真っ赤な絶景を望むことが出来る八幡平。紅葉の見ごろは、10月初旬〜中旬。

 

まずは、東北自動車道の西根ICを降りて国道282号線に入り北上。そして七時雨カルデララインに入ります。あまり視界が開けてなく、道幅もそれほど広くないですが、車の通りが少なく快適に走れます。そして、イーハトーブトライアルでも使われる七時雨山の景観が望める田代口登山口駐車場は、絶好のビューポイントです。

 

七時雨カルデラライン

 


七時雨山〜日に何度も天候が変わることが山の名の由来。新日本百名山で東北百名山にも選ばれています。

 

そして、再び国道282号線に入り、日本の滝100選にも選ばれている不動の滝に。落差15mながら、赤い橋とのコントラストがいい滝です。

 


不動の滝〜修験者の道場でもあった滝で、岩手の名水二十選にも選ばれています。

 

国道282号線から、安比高原スキー場方面へと曲がります。金色に輝くホテル安比グランドを横目にそのまま進み、ブナの駅に。ここからは国有林に囲まれた安比高原を眺めることが出来ます。

 

安比高原のブナ林は、森林浴の森100選にも選ばれています。

 

来た道を戻り、再びホテル安比グランドの横を通った後、今度は国道288号線まで出ずに、手前の安比高原レインボーラインを八幡平方面に曲がります。

 

安比高原レインボーライン

 

レインボーラインは雄大な岩手山を望みながら走る、大きなRのカーブが多い快適なクルージングロードです。アスピーテラインとともにお勧めの道です。

 

そして、いよいよメインロードの八幡平アスピーテラインに。と、時間があればその途中にある松尾鉱山跡地にも是非、立ち寄ってみたいです。

 

 

陸の軍艦島とも言われ、最盛期にはなんと14,000人もの住人がいて雲上の楽園とも言われた鉱山の跡地です。当時、東洋一を誇った硫黄鉱山も、閉山後は廃墟と化して、現在、その姿を残しています。明確な案内板が無く入口が分かりにくいですが、アスピーテラインからすぐなので、その異質な雰囲気を味わいに行ってみるのもありかと思います。

 

さて、春先には雪壁を走れるアスピーテラインは、カーブを織り成していき徐々に高度を上げていきます。

 


例年、4月中旬〜GW前ぐらいに走れるというアスピーテラインの雪の回廊。

 

やがて、左手に八幡平の壮大な景色を眺めながらワインディングを走ります。国内有数の絶景ロードで、特に紅葉時は絶景さが増すことでしょう。

 

 

そして、八幡平散策の拠点である、見返峠の駐車場に到着。

 

ここからは、八幡平を散策しながら、5月末〜6月初のある時期にしか見ることができないという八幡平山頂にある鏡沼の雪解け時の風景であるドラゴンアイうや、八幡平山頂付近ににあり神父的な佇まいを見せる八幡沼などを見ることが出来ます。

 


ドラゴンアイ〜春の限られた時期に鏡沼で見ることが出来ます。本州を龍と見立ててその目、という意味らしいです。

 


八幡沼〜駐車場から少し歩きますが、高台から見る湖の深青色と新緑のコラボが素晴らしいです。

 

ただ、それらの沼の景観を見るには、八幡平を1時間以上散策しなければならないので、もし、そこまでは…というのであれば、見返峠の駐車場に展望台があり、八幡平の好景観を望むこともできます。

 

見返峠駐車場からの眺望。

 

見返峠から八幡平アスピーテラインは秋田県側への向かいますが、今回はここから八幡平樹海ラインへと入りました。

 

八幡平樹海ライン

 

樹海ラインというだけあって、見返峠付近以外は視界は開けていませんが、その分、紅葉時には道の両側が真っ赤に染まる絶景ワインディングロードとなります。道中には東北の秘湯と呼ばれる藤七温泉や太古の息吹などの名所もあります。

 

 

 


藤七温泉〜樹海ライン沿いにある東北で最も高いところにある硫黄泉の源泉掛け流しの露天風呂。宿泊施設ですが、入浴のみの利用も可能(8:00〜16:00。600円)。幾つもの外湯(露天風呂)を戸板の上を歩いて、ブクブクと泡が浮き出る泥のような濁り湯などに入るワイルド感と、周囲の絶景感が旅心を高揚させてくれること間違いなしの秘湯です。女性専用の露天風呂も混浴風呂もありますが、すべてほぼ丸見え。売店で女性用のバスタオル(1,000円)を販売しているので、女性の方はそれを購入してから入浴されることをお勧めします。

 


樹海ラインを走っていると現れる湯気「太古の息吹」。湯気を触って火傷する人が多く、現在は立入禁止。

 

そして、樹海ラインを走り、八幡平リゾートパノラマスキー場のあたりで岩手山パノラマラインに入りました。

 

岩手山パノラマライン

 

雄大な岩手山を望みながらその裾野を走る直線路が多い快走ロードのパノラマライン。その道中にある焼走り溶岩流(展望台)は立ち寄りお勧めの場所です。

 

 


焼走り溶岩流〜岩手山に噴火で噴出した溶岩が固まってできた、まさに溶岩の荒野。無料駐車場からすぐで、見る(入る)のも無料。

 

そして、そこから少し走れば、再び西根ICから東北自動車道に入れます。

 

紹介しましたルートの大体の総走行距離が150km。

 

八幡平までのアクセスは、東北自動車道自走のほか、東京からなら新潟まで自走してフェリーで秋田に入り、秋田側からアスピーテラインで八幡平に入ることが出来ます。また、名古屋からなら仙台までのフェリー航路があるほか、大阪からなら敦賀まで自走そて航路で秋田へ。また、新幹線やLCCを使って仙台や盛岡でレンタルバイクを借りて回るという方法もあります。

 

是非とも、一度は走ってみたいツーリングエリアです。

 

 

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