■1泊2日ぷらっと北海道ツーリングのすすめ
憧れの北海道ツーリング。でも、時間もお金もかかるからなかなか行けない…と思っている方。いえいえ、意外とぷらっと気軽に北海道って行けちゃうんです。
北海道ツーリングといえば、フェリーに乗って1週間くらいかけて道内を回るイメージが強いですが、なかなかそんな時間は取れない、という方にお勧めなのが格安航空便(LCC)+レンタルバイクです。これで、時間的にも費用的にも、意外と気軽に憧れの北海道ツーリングが楽しめちゃいます。
ちなみに、今回のLCCは平日の早朝出発ということもありましたが、成田空港〜新千歳空港の飛行機代がなんと往復12,100円! いやー、いい時代になったものです。但し、帰路の便はたびたび欠航になるリスクもあるので、ツーリング後翌日に仕事や学校に行かれる方は、午前中には大切な用事を入れておかない方が賢明です。
さて、出発日の早朝。車で成田空港まで行き、東京(成田空港)6:05発〜新千歳空港7:45着のLCCを利用しました。新千歳空港到着後、そのまま空港内のオリックスレンタカーショップのカウンターに行き、送迎バスに乗ってレンタカーショップ街の中にあるレンタルバイク店に到着。
店内でレンタルの手続きをして、出発。今回はトライアンフのタイガー800XCを借りましたが、ツーリングが終わった後に考えると、北海道の高速は一車線のところが多く車がつまることも多いですし、飛ばしやすい道は検問などを行っていることも多いので、費用対効果を考えるとセローとかの方がいいかもしれません。
↑こんな美味しい道が随所にあります。
気持ちよさそうな未舗装路もところどころにあるので、セローなら道の先が分からなくても気軽に入っていけますしね。ちなみに、今回のタイガーは、21,600円(24時間)+15,200円(以降1日)で、丸2日間借りて車両代は36,800円。セローなら丸2日間で21,100円でレンタルが可能なので、その差は15,700円になります(※2016年夏時点)。
ちなみに、同レンタルバイク店では、ジャケットやヘルメットもレンタルできるので、事前に予約しておけば手ぶらで北海道ツーリングも可能です。
レンタカーショップでレンタカーを借りるのと全く同じ感じで、バイクも借りられました。
さあ、北海道ツーリングにGO!です。
千歳市街を抜けて郊外に出ると、もう北海道の雰囲気が出てきてテンションが上がります。そして、千歳東ICか道東自動車道に入りました。この道東自動車道のおかげで憧れの道東がぐっと近くなったのですが、片側1車線が続き制限速度が時速70km/hの区間が多いため、移動時間が他の高速道路よりかかことは念頭に置いておいた方がいいと思います。でも、道の両側には北海道らしい抜けのある景色や、道中にはトマムリゾートや十勝平野なども眺められて、飽きることなく楽しんで走れます。
さて、千歳東ICから255km、約3時間30分走って足寄ICで高速を降ります。
とりあえず、足寄市内で給油と昼食をとりました。。北海道は市街地以外はガソリンスタンドも少なく、また距離も結構あるので、ガソリンメーターが1/2や2/3になったら、手間を惜しまずこまめにガソリンを入れていった方がいいです。あと、幹線沿いには意外と食事処も少ないので、最初はこういう市街地で地物を食す方が、後々店を探す面倒がなくていいような感じがします。
そして、国道241号に入りました。
山間部の道のため平野部の道と違って視界が樹々で遮られていますが、車通りも少なく快走できる道です。いやー、北海道の魅力って景色やグルメもありますが、個人的にはやっぱり、本州ほかでは味わえないまっすぐな道などの走って楽しい道の魅力が大きいですね。
そして、最初の景勝地のオンネトーに。ここは、足寄から開陽台のある中標津へと向かう道中にあり、国道からすぐ近くにあるお勧めの絶景地です。個人的に思うに、摩周湖、屈斜路湖と合わせて、道東で必見の三湖のひとつです。
オンネトー
神秘的な水の色をした湖で著名な景勝地と違って観光客も少なくて、絶景を見ながらのんびりできるところがいいです。国道から走っていくと、やがてオンネトーが見えますが、画像のように「オンネトー」と書かれた看板がある好展望場所が少し先にあるので、そこまで足を延ばすことをお勧めします。
その後、意外と観光化されていて道東の景観の中では特徴が薄い阿寒湖畔を通り、いよいよ道東に来たら、是非立ち寄りたい中標津のミルクロードに。
中標津ミルクロード
ジャットコースターの路や、日本一長い直線など、多くの魅力的な直線路が北海道には幾つもありますが、やはり個人的には、昔からライダーに馴染みの高いこの中標津のミルクロードの絵が大好きです。但し、ここも人気場所で人(というより駐車車両)が多い時もあるので、その時は、近くの地球が丸く見える開陽台に行って少し時間をずらしてから再訪するという手もあります。
開陽台
天気が良ければ、ここから北方四島のひとつである国後島が望めます。
↑開陽台の展望台から国後島が見えます。
さて、北海道内で注意したいことに、前出した燃料のほかに、生き物と速度があります。
まず、虫です。
とにかく走っていると瞬く間にシールドに虫がぶつかってシールドが汚れていくので、シールドクリーナー、もしくはウェットティッュは必携です。そして、エゾシカやキタギツネにも注意。今回数度、路上で見かけましたが、全く逃げずに平気で車道の真ん中に居たり、急に道路を横切ったりして、動きが予測できないので、何が飛び出してきても対処できるくらいの速度で走ることをお勧めします。
また、特に、夜は鹿の動きが活性化してきて集団で道に飛び出したりしてきて、ぶつかったらバイクは破損、ライダーも大けがをするので、日が落ちる前に宿に入られてバイクでは走らない方がよいでしょう。そしてヒグマも、昨今は人家のあるところまで平気で降りてきているので、あまり人気のない盛や山の奥には行かない方が賢明かと思います。
そして速度ですが、信号のない見通しのいい道が続くこともあり、知らないうちに速度が上がっていきなり目の前に赤い旗が…なんてことも多々ありますので、速度計は気にして走った方がいいと思います。道内も道交法的にもちろん、一般道も本州等と同じ最高速度(50km/h)になりますので。
初日は、ここで宿泊。今回は、昨今人気の高い、とほ宿に宿泊。
ユースホステルのように安く泊まれてお酒も飲めるという大人のライダー向けの宿です。ユースのように各とほ宿はオーナーの魅力が反映されていて特徴的なところが多く、予約時にとほ宿のガイドブックやHPを見て決めるのも楽しいと思います。
さて、なる早でとほ宿で朝食をいただいた後、早朝に出発。まずは、摩周湖に。
摩周湖
霧の摩周湖という歌があるくらいになかなか快晴のもとの湖面を見ることが難しい摩周湖ですが、その神秘的で透明度の高い姿はまさに絶景。個人的には道内で一番美しいと思う湖です。何か所が展望台があり、それぞれで違った湖の表情が見れるので、晴れて時間があればいくつか回ってみるのもありかと思います。
そして、摩周湖のすぐ近くにある屈斜路湖に。湖を回り込むような感じで国道243号線を登坂していき、視界に屈斜路湖が入ってくると気分が高揚してきます。ただ、一車線で追い越し不可なので、トラックの後とかにつくとしばらく我慢しなければなりませんが…。
そして、美幌峠に到着。定番とはいえ、やはりここからの屈斜路湖の景色には感嘆しか出ません。
屈斜路湖(美幌峠)
また、国道39号線を使って、西へと走ります。
石北峠
石北峠を過ぎて、途中で国道273号線に入り大雪湖沿いに南下すると、しばらくして三国峠展望台に。
三国峠
北海道最高峰の大雪山の裾野に広がる原生林を縦断する三国峠の景観は◎。峠にパーキングあり。ちなみにここから40kmほどそのまま南下すると、タウシュベツ川橋梁(近くでの一般見学不可)があります。
再び、国道39号線に戻り西に向かうと、すぐに左側に大函・小函という渓谷があります。
大函
首都圏ならば人気の観光ポイントになり得る景観も、壮大な北海道の中にあると少々マイナーな感じがしてしまいますが、間近で渓谷が見れて素晴らしい景色です。
そして、そのそばに人気の景勝地の層雲峡の銀河の滝・流星の滝の二本の滝があります。
銀河の滝
幹線の国道からすぐのところにあり、無料駐車場から見ることのできる両滝。バイクを絡めてのお勧めの撮影場所でもある必寄りの場所です。このあたりから、雄大な大雪山が見え隠れし、国道沿いに並ぶ温泉街とともに、旅感を高揚させてくれます。
その後、無料の旭川紋別自動車道を走り、旭川から美瑛に。
ケンとメリーの木〜昔、車のCMで使われた、美瑛のパッチワークの路のシンボル的な樹。
パッチワークの路やパノラマロードなど、まさに北海道らしい景観がここそこにあり、走っているだけで心が踊る丘陵地帯です。
↑両側に広がる丘陵と十勝岳連峰の景色を楽しめる快走ロード。「赤い屋根の家」「千代田の丘」が人気の風景。
そしてそのまま、昨今人気の高い青い池に。
青い池
堰き止められて水がたまった池なのですが、その青い水面と、水面に立つ枯れ木ノコントラストが素晴らしく、Macのオフィシャルデスクトップ画面にも採用されたほど。観光バスが止まるような大きな駐車場は砂利道ですが無料ですし、駐車場からそんなに歩かないで、観光用周遊道に行けるので立ち寄りお勧めの場所です。
また、前出したジェットコースターの路と言われる直線路も、この近くの上富良野にあります。
ジェットコースターの路
十勝岳の景色も素晴らしく、ぷらぷらと走り回っているとあっという間に時間がたってしまうので、要注意を。
そして、新千歳のレンタルバイクショップに戻り返車し、新千歳空港に。まさに、あっという間の1泊2日の北海道ツーリングでした。
今回の使用金額は下記の通りですが、例えば、ヤマハYZF-R25(P-3クラス)を2日間レンタスして頑張ってキャンプして、うまくセールスフレイトが使えれば4万円台半ばで北海道ツーリングをすることも可能です。
是非、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
[今回の使用金額(※成田空港までの移動代は除く)]
・LCC運賃(成田空港〜新千歳空港 往復)12,100円
・レンタルバイク7(2日間)36,800円
・高速代 5,420円
・宿代(1泊2食) 5,300円
・ガソリン代 4,647円(※ハイオク)
・飲食代 2,510円
合計:66,777円
ちなみに、北海道といえば海産物と(味噌)ラーメンはもちろん、野菜もなんでも美味しい!と食の宝庫なので、ツーリングプラン時に何を食べる(食べたい)か、事前にリサーチ&リストアップしておくことをお勧め致します。
回転ずしチェーン店ながら、「とりとん」も美味しいです。
蛇足ですが、成田空港に直結している成田空港駐車場は、早朝入庫、深夜出庫すると、駐車料金が通常の約半額になります。今回、第2ターミナルに隣接した第3駐車場に普通自動車を2日間停めて、駐車料金は1,540円とお得でした。